歴史は繰り返す『世界史の極意』
読みました。世界史の極意 。
帯は『佐藤優、初の世界史入門』。佐藤さんの著書をよく見ますが実際に読むのは今回が初めてなので、得意分野を知りませんでした。歴史というより社会学が専門のような気がします。
本のテーマはアナロジーを使って歴史を考えようということ。アナロジーは日本語というと「類比」です。歴史の本では、歴史は繰り返されるとよく謳われていますが、それと同じ意味と思って読みました。
そしてこの本の目的は驚くべきことに『戦争を阻止すること』だそうです。
とても壮大なトピック。人類のテーマでもあるかもしれません。
第1章が「新・帝国主義について」
1800年台後半から第一次世界大戦までは帝国主義。現代を新・帝国主義を捉える。帝国主義の終焉が戦争であったのが、新帝国主義はどのようになるかということ。
確かに現在イスラム国に対するロシアからの空爆やイスラム国からの欧州に対するテロがあり、緊張状態です。この時代をどうするか。
難しいことですね。
第2章 民族問題を読み解く極意
ハプスブルク帝国を中心とした中東欧とロシアの民族問題をみる。アナロジーを使ってなにを得るか。ウクライナ情勢と沖縄の問題がナショナリズムの問題であるということか得られるそうです。
本書では、ウクライナの説明にページ数が使われていますが、私の印象のは沖縄の話ですね。
沖縄の地に自分達のルーツがあるという意識。単に不平等感や不満から、基地問題が今の話の大きさになったわけではないのだと思いました。
第3章 宗教戦争を読み解く極意
前2章に比べると戦争を阻止するというテーマではこの問題はつかみやすいですね。ちなみに新帝国主義が1番つかみづらかったです。
この章の目的は宗教に関する基礎知識を身につけて、現代の宗教対立を読み解くこと。です。
取り上げる事例はイスラム国とバチカン市国です。宗教は国境、民族を超えた仲間意識を生みます。本書では、イスラム対策として、イスラムへの帰属意識より民族意識を重視させることで浸透を防ぐことができるとありますということ。
私は何かに対する帰属意識が薄いのでそのようなものかと思いましたが、個人のアイデンティティとか生の意味のよりどころに民族意識や宗教意識はなるけど、なにかしら帰属意識が一つあれば落ち着くものなのでしょうか。
第4章 戦争は阻止できるか
「 啓蒙への回帰」と「見えない世界へのセンスを磨く」ことが戦争の阻止につながるということ。
ここで初めて理解しましたが、合理主義や資本主義に対する警鐘をならしていたのかと思いました。
慣れない分野のは難しい。もう少し知識をつけたらもっと理解が深まるのかなと思っています。