個人も問題から世界の問題に
久しぶりの新書。今回は少し硬いやつです。
大まかな話はつかめたけど、細かい話はわからないので、気になる方はぜひ読んでみてください。
要約
世にはタックスヘイブンがあり、タックスヘイブンが存在することで所得税の累進課税が正常に機能していない場合が存在する。また、タックスヘイブンはマネーゲームの舞台やテロ組織への資金供給源となっている。
読んでみて
話の流れが
2タックスヘイブンの説明
3タックスヘイブンを利用した人や企業事例
4タックスヘイブンとテロの関わり
7解決案
となっており、途中からヘッジファンドへの話が強くなった気がします。最初は、導入を所得税の不平等にすることで読者の気持ちをつかみ、ヘッジファンドが起こす金融危機を伝えたかったのかと思いました。
金融危機についてあまり知識がなかったために、ヘッジファンドの大量資金により一国の金融をだめにする話が印象に強かったからでしょうか。ヘッジファンドが話の主役になった気もします。また、ヘッジファンドからタックスヘイブンという話の展開にしてもおもしろいかと思いました。
それでもやはり、タックスヘイブンを題名に持ってきたのは著者の世界的な問題に対する認識があったからなんでしょう。
もし仮に、つかみの所得税の不公平について議論を終始するなら、累進課税の段階を急激に上げればいいのではないかと安易に思えてしまいます。最初に出てくる所得と所得税率のグラフを見る限り、軽減はしているものの税金はかかっているので、負荷を高くすればよいと感じます。
ですが、テロと金融危機について個人の体験があり、それらの共通の原因であるタックスヘイブンであることから、話を進めることで著者を世界の問題に導いたのかもしれません。
ゆえにその問題に対する対策は難しく思えます。本書の終わりのほうで対策の話がでましたが、本当に難しい話なのかと思います。タックスヘイブンを国の特徴として国力の基盤にしている国もあるかと思います。そのような国がそうそうにタックスヘイブンにつながる制度である税金の低さを手放すのかと。
世界に対する認識が変わる読書体験でした。