手紙のような新書「益川敏英/素粒子はおもしろい」
図書館をそぞろ歩きしていて目についたので借りてきた本です。
今年は梶田さんがニュートリノが質量を持つことを発見し、ノーベル物理学賞を受賞しました。この著者は2008年ノーベル物理学賞者です。
岩波ジュニア文庫ということで、非常に読みやすい文章です。コラムや用語解説が豊富で、量子力学の話だけでなく、科学全般の話があります。
第7章『科学の役割と私たちの学び方』の冒頭で
ところで、最後に、21世紀を生きていくみなさんに、科学を学ぶ意味と姿勢について、お話ししておきたいと思います。
最後のページでは
このように科学はある現象を肯定するために、これはおかしい、こういうノイズが入っている可能性があるというような形でほかの可能性を取り除いていく作業をやっています。
とあり、科学的な物事の考えがどのようなものかを教示しています。コラムの記載からうかがえる人間味やこのような一般論に近い内容の語りを読むと手紙のような文書だと感じました。この本を読んで科学者になろうとか思った子がいたらおもしろいですね。
ただ、難解な話はさらっと「そのようなものだ」という具合で書かれているので(書かざる得ないので)、自分なりに気になるところは調べる必要があると思います。数学の話はわかりますが、物理の話は素人なので、それを一度基礎から積み上げて量子力学に挑戦したらいいのかと思いました。